コンピュータは今以上に高速化することは出来ない。
ショッキングな話ですが、パソコンをはじめ現在使われているコンピュータは、放熱をはじめ半導体中の電気エネルギーの伝搬速度が壁となって、実用上はこれ以上高速化することが難しくなっています。
しかし、コンピュータの文化は18か月で倍の性能に成長する「ムーアの法則」という宿命を背負っており、そのような問題を無視して、ゲームや高精細な映像などコンピュータパワーが求められることが、年々増えてきています。
このような矛盾する条件の中、コンピュータは機能を向上させるため、計算を司るCPUに「マルチコア」という技術を選択しました。
簡単にいえば、
1個で足りなければ2個使え、足りなきゃ4つだ
って感じで、電力効率・処理効率のよい計算装置(コア)を沢山詰め込んで、頭数で勝負するようになってきています。
まるで、ヤマタノオロチみたいな話ですが、実際に開発コード「orochi」が命名されたマルチコアCPUもあるぐらいです。
PS3に搭載されているCELLもこのマルチコア技術で作られています。
インテルがこのマルチコアCPUの分野に、現行のパソコンの10~20倍の性能を持ったCPUを登場させようと計画してしているニュースが流れてきました。
20倍?
↓
やばいです。1TFLOPSです。
1秒間に、1,000,000,000,000回の計算です。
コアが、48個も入っています。
弾丸で画面全部に埋め尽くし、ドット単位の当たり判定しても、全然平気です。
冗談を言えるほど、コンピュータ分野にとっては明るくするニュースですが、理想を実現するには大きな問題が裏に隠れています。実は、この高スペックはハードウェアの話であって、沢山のコアを活用するプログラム技術が確立していません。
PS3以降、マルチコアを活用する事がゲームプログラマのスキルの1つになってきています。マルチコアが普及するにつれて、すべてのプログラマにおいても必要なスキルになってきます。
70年代末、ハードウェアがデジタル化の波を受け、電子分野の技術者は大きな変化を求められました。
21世紀初頭、マルチコアの技術がプログラマにとって大きな変化の波になるかもしれません。
という内容の話を、奥さん熱く語ったところ、
「ふーん」って軽くあしらわれたVTでした。
VT