最近『CRYSIS』というゲームを始めました。おなじみEA(エレクトリック・アーツ)からの発売ですが、開発元はCrytek社。ドイツにあるデベロッパーです。
このゲーム、ジャンル的には「3Dアクション」ということになります。より細かく言えば、いわゆる“ファースト・パーソン・シューティング” (FPS)。プレイヤーは、特殊部隊の兵士として、台湾近海に浮かぶ島に潜入します。ここで、既にその地を占領している某国兵士たちと戦いながら、進行しているきな臭い事件の真相を追う……といったことを、一人称視点で進めていきます。
海外ではいちばんメジャーなゲームカテゴリーで、『DOOM』以降山ほどのタイトルが登場しました。それだけに食傷気味に感じていたんですが、今度ばかりは度肝を抜かれました。
とにかく“凄い!”につきるのです。ゲームの枠組み自体は昔からあるものと同じですが、ソフトウェアとして実現できていることの水準が凄い。グラフィックは信じられないほど細かく、植物なんか葉っぱの一枚一枚が動くほど。武器の描写も、撃たれたり首しめられたりしたときの敵キャラの反応も、過剰なほどに細やかなものです(という関係で、レイティング的に大人用ゲームとなっています)。
実際のところ、最高のパフォーマンスでプレイするには、最高のマシン環境がないとだめです。正直、私も自分のマシンではそうも行かず、凄さは主にダウンロードしたムービーで確かめました。体験版もプレイを納めたムービーも、『4Gamer.net』でダウンロードできますので、興味を持った方は是非とも(ただし、18歳以上の場合のみね!)。
さて、創る対象として考えた場合、PCゲームの世界は、かなりカオスです。まず、ターゲット機の性能が揃っていません。控えめな性能を前提にデザインすると、いまいち地味で見劣りのするゲームになってしまいます。とはいえ、ハイエンド機のユーザーなんて元々数が少ないわけで、たいしたセールスが期待できません。
こうした悩ましい問題のその先に、各ユーザー固有の問題があります。パソコンの設定はユーザーごとにまちまちなので、全ユーザーが確実に動かせるという選択肢はないのです。野心的な取組みをすると、「動かへんやんけ!」というユーザーからの怒りの電話という形で、リアクションが返ってきてしまいます。
こうした面が忌避されたのか、日本のゲームシーンは、当然のようにコンシューマ中心になってしまいました。コンシューマは、プラットフォームメーカーとの契約が必だったりとか、あれこれ面倒な面がありますが、その分、保護されていると言うこともできます。でも、「北風がバイキングを育てる」というやつなんですね。
直接的には技術力の差ですが、そういうものを商品化できたかできなかったかという点で考えてみると、企画力の差でもあります。めげずにがんばっていきましょう。
さてこのゲーム、実は学生に教えてもらいました。「教えているはずの自分が、いつの間にか教わっている。教師をしているとそんなことばかりです」……小学校の先生がこんなことを言えばかなり含みのある表現なんですが、専門学校だと、言葉通りの意味だったりします。まあ、その辺が面白いところですね。
(傭兵隊長)