テーマは、作者が表そうとする基本的な思想であり、何らかのモチーフがあって始めて成り立つ。
現代のゲーム分野における 「ジャンル」 は、あらかた掘り尽くされてしまっている。
理想は、まったく新しいモチーフを生み出す事だが、歴史あるゲームの世界では、ほとんど100% 近くが出尽くされている。
現代では新たなモチーフを求めるより、同じモチーフで異なるテーマを考える事が大事になっている。
だから、モチーフは決まったものを用い 「モチーフが同じで、テーマが違うもの」
を作るのが通例になっている。
逆に、既存の素晴らしいモチーフからの異次元作品は、多くのプレイヤーに大きな共感を与え易いものである。
次に、「素晴らしいモチーフを探すより、面白いテーマを考える」 ことの例を挙げる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
古典的なカードゲームの 「ミルボーン (レースゲーム)」 は非常に汎用性があり、
多くのバリエーションが登場している。
<概略>
・①プレイヤーは、それぞれドライバーになって、ボロ車でレースに出場する。
・カードを自分の前に出すために、まず「スターター」と書かれた②開始カードを引くまで待つ
(ボロ車だからエンジンのかかりが悪い設定)。 この時点で半分のプレイヤーはエンジンに苦戦する。
・開始カードを引き当てたら、数字の書かれた③走行カードを出す。
この走行距離が1000マイルを最初に超えた人の勝ち。
・他のプレイヤーを妨害する「赤信号」・「パンク」・「アクシデント」・「ガソリン切れ」などの④妨害カードと、
⑤妨害を無効にする「燃料タンク」・「パンク修理キット」などがある。
<派生ゲーム>
・麻薬取引ゲーム「Grass」 は、走行距離カードの代わりに 「草(大麻)」 を出して売り上げを出す。
・「モンスターメーカー」 は、走行距離カードの代わりにダンジョンを進む「回廊カード」 を出していき、
100以上進むと宝物カードを得て、帰りも同じ数だけ出してゴールする。
妨害するにはモンスターカードを使い、無効化するにはヒーローカードを使う。
・「世界征服ゲーム」では、走行カードの代わりに「世界征服への一歩」 カードを出す。
妨害するには「スーパーヒーローを送り込む」 カードを出す。妨害は戦闘員カードで迎撃する。
このように、ほとんど同じルールのゲームでも、世界観が違えば異なるゲームになる。
「我が巨人軍は永遠に不滅です」とは、長島名誉監督の言葉である。
真似をすると、「我がゲームの世界も、まだまだ不滅である」。
(善)
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