朝の通勤、地下鉄の中。
ドア付近に立っていた。
耳元を蚊が一匹。
プ~ン、と優先席の方へ流れていった。
初老のご婦人が、「パン!」と手を叩く。
蚊は隣へ流れ、初老の紳士の方へ。
壁にとまったところを「ドン!」
婦人「どうです?」
紳士「いやぁ、だめでした。」
婦人「オホホホホ」
紳士「フッフッフ・・・」
全くの他人と思われるお二人は、
何もなかったように眼を閉じて下を向いた。
ちょっとしたことをきっかけに
ちょっとした“コミュニケーション”が
自然に行われた、
朝のひとときでした。
~あとがき~
蚊にとっては命がけのコミュニケーションだったに違いありません。
(ニ)
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