ワタシが画学生だった頃、ハンス・ベルメールや四谷シモン、天野可淡
など、創作人形作家の作品を好んでよく見ました。そのシュールで不思議
な魅力はなんとなく暗く、見てはいけない世界を覗いてしまうような独特
の雰囲気がありました。最近のアニメキャラやそのフィギュアはこれとは
また異なる明るい魅力をもっています。
ベルメールが日本で紹介されて広まった球体関節人形ですが、21世紀に
なった今では簡単に素人の個人が購入し、自分好みに髪型や眼の色、顔の
特徴、衣装に靴、アクセサリーなどを組合せ、世界で1つ、自分だけのオ
リジナルドールを持てるようになりました。ワタシも学生に勧められて
“VOLKS”(ボークス)のショールームを訪ねました。リアルに作られた
いろんな姿のお人形さんたちがあちこちでポーズをとっています。「こりゃ
~ハマるわぁ~!」というのがワタシの印象。中でも身長が約55cm
あるものはスーパードルフィーと呼ばれています。店員さんとお話しして
いて驚いたのは、購入者は“オーナー”、受け取る日は“納品”ではなく、
“お迎えの日”と呼ばれ、“お迎えセレモニー”というイヴェントも用意
されているとか。こりゃ~数十年後は知能も装備され、会話ぐらいはで
きてしまうスーパーアンドロイドルフィーを“お迎え”する日も近いかも
しれない!?(ニ)