今デッサン室では、2年生が自画像を描いています。
鏡の中の自分の顔を、こんなに何時間もマジマジと見つめたことはなかなかないでしょう。
以前、トイレットペーパーを描いていた学生が、「こんなに長いこと“トイレットペーパー”
に向き合ったのは初めてですよ~」と言って大笑いしました。
学生の自画像を見ているとおもしろいです。全くの無表情、少し媚びた表情、あまりの似て
無さに笑い出す人、いい風に描きすぎだと非難ウケまくりの人などなど。しかしその紙に描
かれた顔こそ、自分が思っている自分の姿なのでしょう。立体的な描写はできていなくても、
自分の表情や特徴をよく知っていて克明に描こうとする絵はいいですね。表面的なリアルさ
はなくても内面のリアルさが感じられます。静物デッサンと違って生身の人間でしかも自分
なのだから、穴が開くほどしっかり見つめて自分というものを再確認してしっかり描いてほ
しいですね。(ニ)