nkcデッサン室では最近、微妙な変化が見られます。早朝と放課後に課外講習を
行っているのですが、参加者の多くが1年生です。卒業クラスへと進級した学生は
卒業制作のためCG実習室へ移りました。進級クラスの上級生たちは、1年生から
オシリを突っつかれる想いで頑張っています。デッサン力の高さとデッサン室滞在
時間は比例します。それは課外講習参加者記録とデッサン室の壁に貼られた優秀作
品の作者名を照らし合わせれば明らかですね。日替わりでいろんなゼミが開かれて
いる中、うまく時間を調整してアナログワークもデジタルワークも“基礎の力”を
確実なものにしてから、発展と応用に結び付けたいですね。
ところで今、「視覚の魔術―だまし絵」という展覧会が開かれています。絵画技術
における“だましのテクニック”にはいろんなものがあります。ダブルイメージや
トロンプルイユ、シュルレアリスム、現実とイメージの混同、幾何学的イリュージョン、
錯視などです。しかし、どの作品を見ても共通することは、現実とは何であるか、
本物らしさとは何であるかを意識させられることです。
高校生の時にワタシはエッシャーの「描く手」を模写しました。平面の中に平面が
あり、リアルに描写された手がリアルに描写する手を描いているという循環のおも
しろさもあり、大変勉強になったことを覚えています。今回の展覧会は、だまし絵
という共通テーマでいろんな画家があの手この手で楽しませてくれるという贅沢な
企画です。みなさん是非観に行きましょう。(ニ)
「視覚の魔術―だまし絵」名古屋市美術館にて6/7(日)まで。
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/tenrankai/2009/damashie/