10.14の夜、千種文化小劇場にてアコースティックジャズコンサートに出演しました。
といっても今回は楽器を演奏するわけではなく、ピアノ(杉丸太一)とビブラフォン
(殿岡ひとみ)のデュオに映像でセッションするというものです。セッションなので、
映像は予め用意しておいたものを流すだけでは済みません。Max-MSPを使って曲ごと
にプログラムを組んだものを、その場で演奏に合わせてキーボードやpadを叩いて動か
しました。
内容は、演奏に合わせて巨大なスクリーンに細い横線が上から下へスライドしたり、
幾何形態が微妙な動きと共にさまざまな構図を作り出したり、落書きのようなことを
したりと大変シンプルなものです。コンサート終了後のお客さんの反応がおもしろく、
演奏者2人のすばらしさはもちろんのことですが、「自分にはリズム感が無いが、映
像があったのでわかりやすかった。」「ものすごくシンプルなだけにイメージを押し付
けられることなく自由に楽しめた」など、作り手にとっては大変嬉しいお言葉をいた
だきました。
1666年にニュートンがスペクトルを発見して以来、ヨーロッパでは18世紀頃から
色彩オルガンというものの発明がされては失敗を繰り返していました。オルガンを演奏
するといろんな色の光の柱が立ち上るという理想のものです。日本では元YMOの坂本
龍一氏と「ウゴウゴルーガ」で有名な岩井俊雄氏のコラボレーションにより1997年に
アルスエレクトロニカでグランプリを取った作品が有名です。
ニュートンもスペクトルを音と関連付けたがったように、この2つの異なる要素に
何らかの関連性をもたせて知覚表現を実現したいと思うことは、いつの時代にもロマン
をもって挑戦されることのようです。(ニ)