毎朝通勤途中である男性とすれ違う。
鞄を袈裟懸けにして背中へまわし、両手を自由にして大きく振り、
闊歩しているその姿はまさしくターミネーターだ。
ワタシは「何の仕事をしている人かなぁ」いや「何をにし未来から来たのだろう」
と推測して毎日見ていた。
ある日、長年痛めていたワタシの右足君がとうとう悲鳴をあげたので、
仕方なく近所の整形外科病院に右足君を連れて行くことにした。
そこにはなんとターミネーターな人らしい先生がマッサージをしていた。
ゲームなんぞしながら気を紛らわせて待っていると、しばらくして
「サラ・コナーか?」
とは言われなかったが、
名前を呼ばれたので行ってみたら、なんとその人だった。
胸ぐらつかまれ壁に叩きつけられる恐怖に怯えながら治療を受けるワタシ。
しばらくして彼はワタシの右足君に電気を流し始めた。
「やばい、改造人間にされるかもしれない・・・」
そんなことを考えながら目をつぶっていると、
「あの~、朝いつもすれちがっていませんか・・・」
「で、で、ですよね~。」
近くで見た彼の眼差しはやさしかった。
因みに瞳孔に赤い光は認められなかった。(人間だ!)
ワタシはターミネーター先生に、毎朝見るそのダイナミックな歩き方の美しさに感動していたことを告げた。
それ以来、毎朝挨拶を交わすようになった。
「調子良さそうですねぇ」
「おかげさまで~!」
その先生の姿勢の良さに、毎日全身を使って歩きましょう、と無言の治療を今も受けている気がする。
今朝学校に着き、寝ぼけた顔も引き締めないと、と鏡の中の自分を見つめてみた。
ん・・・?・・・え“?
「何だこの赤い光は・・・!?」
(ニ)
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