卒業期に、卒業生に配布する冊子に『かもめ』がある。
その中の「 編集後記 」で、心に残るものを挙げてみたい。
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『米百俵』、注文が殺到し、なかなか手に入らなかった本を、
父から貰った。
長岡藩(新潟県長岡市)・小林虎三郎は、明治維新の大激動期に、
体制に屈せず自分の信念を通した、教育界の大先覚者である。
◇ ◇ ◇
官軍に負け、貧乏のどん底にあえぐ
長岡藩。隣藩より米百俵が贈られた。
虎三郎「百俵ばかりの米を家中の者達に
分けてみたところで、たかがしれて
いる。それくらいの米は一日か二日
で食いつぶしてしまう」
吉岡「教育で腹がくちくなり申すのか」
虎三郎「儂のやり方は廻りくどいかもし
れぬ。すぐに役立たないかもしれぬ。
しかし、現在の長岡藩を立て直す道
は他にござらんのだ。」 ………
◆ ◆ ◆
「目先の糧より、将来の教育」を実践し、バブル崩壊後の我々に
多くの教訓を残してくれた虎三郎。
今、「ほんものを見つめる姿勢」が問われる時代。我々に「ほん
ものの教育」とは何か、を問い掛けている。教育に携わる者の
永遠の課題だが、
また、子供をもつ親への教示でもある。
幸あれ卒業生。
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(善)