卒業期に、卒業生に配布する冊子に『かもめ』がある。
現在ちょうど、半世紀を経たところだ。
元々、旧通信学科の卒業文集が学校全体に広まり、現在の形容を成している。
その歴史ある中の十年間、『かもめ』の編集をさせて頂いた。
『かもめ』の最終ページは「編集後記」で終わる。
その中で、心に残るものを挙げてみたい。
◇ ◇ ◇
『ウサギとカメ』の寓話は有名である。怠らず努力する事が大切だ、
という教訓を含んでいる。
しかし、それだけだろうか。もう少し吟味してみると、
『ウサギはカメを見ていたが、カメは目標を見つめていた』と気付く。
ここに本質が隠されているように思える。
本校の学生は、国家試験という大きな目標がある。
また、卒業生や我々も国家試験という目標をもってもいいはずだ。
だが、「時間がない」とか「環境が許さない」など、ウサギのように
周りを見てしまう。
目標だけをみつめれば「1時間早く起きて勉強する」「先に参考書を
買ってしまう」など、自分に合った時間や姿勢を作りだすことができる。
これこそ、良い意味でのカメと言える。
国家試験だけでなく、いろいろな分野に高い目標を持ちたいものである。
「かもめ」の原稿は熱い思いで執筆したものばかりだ。これを読んで、
「やる気という導火線」に火が点いたのなら幸いである。
母校の在校生が国家試験を目標に頑張っているという報告と、皆さんの
健康と精進を祈念して、ペンを置きたい。(善)
◇ ◇ ◇
読み返してみると、卒業生だけでなく在校生にも教訓になりそうだ。
どんな環境でも、勉強する事の大切さを、改めて考えさせられた。
(善)